モンゴル ゲル

モンゴルの伝統的な住居「ゲル」をご存知ですか?

モンゴルの遊牧民は「ゲル」と呼ばれる移動式の家で、四季に合わせて引っ越しをします。モンゴル観光には外せないゲル宿泊や、日本でのゲル体験ができる施設について詳しく解説していきます!

モンゴルに行ったことがない人でもぜひ読んでみてくださいね。

モンゴルの伝統的な住居『ゲル』とは?

モンゴルの昔ながらの遊牧民は気候に合わせて住む地を転々とします。遊牧民が家畜と共に生活する上で欠かせない移動式住宅であるゲル。

まずはモンゴル人にとっての「ゲル」がどんなものなのかご紹介していきます。

モンゴルの遊牧民がゲルで暮らす理由

高原に住む遊牧民たちは、羊や山羊など動物と一緒に暮らしています。

家畜の食料を確保するため、そして気候の温度差が激しい四季に合わせて移動できるゲルは遊牧民にとって必要不可欠なものです。

「ゲル」に込められた意味

モンゴル人は家族と過ごす時間を大切にします。運ぶことが出来るとはいえ1人ではゲルを建てることができませんから、家族との協力が不可欠です。

首都のウランバートルこそ日本などと同様にビルやマンションが多く建っていますが、現代でも自然に囲まれた草原で暮らし、モンゴル文化を守り抜く遊牧民は数多くいます。

モンゴル語で「ゲル」中国語で「パオ」

「ゲル」とは、モンゴル語で「家」という意味です。

一方で「パオ」という名でも知られていますがこちらは中国語。呼び名が異なりますが、全く同じものです。

ゲルでの生活ってどんな感じ?

大自然の中で生活するとなれば、気になるのは電気やトイレなど…!モンゴルでは遊牧民に限らずゲル生活に慣れている人が多いのですが、実は思った以上にシンプルで生活しやすいんです。

モンゴルゲルの特徴

何十匹の家畜と遊牧生活をするためには広い高原が最適。首都ウランバートルから郊外、そしてゴビ砂漠などに向かって車を走らせると大自然の中にゲルが建っているのを見ることができます。

ヤギやヒツジ、牛など動物たちと生活をしている遊牧民。牧畜生活をしながら草の多い夏営地・冬営地を転々としているのが特徴です。

外壁に使われている布やフェルトは動物の皮などから作られており、厳しい気候の変化にも耐えることができます。モンゴルは冬にマイナス30℃を下回ることもある極寒の地ですが、ゲルの中には暖炉もあり冬でも暖かく過ごせるようになっています。

ゲルとモンゴルの気候

モンゴルにも日本と同じ四季があります。

  • 春5〜6月
  • 夏7〜8月
  • 秋9〜10月
  • 冬11〜4月

基本的には日本と変わりませんが、秋には既に0℃前後なこともありますから日本人の感覚では半分以上が冬といっても過言ではありません。ベストシーズンは6〜8月の夏で、日中は25℃前後と過ごしやすい気候が続きます。

しかしモンゴルは日中と夜の温度差が激しく、暑いからといって薄着だと夜には寒く感じることも。観光で訪れる際の服装には注意したいですね。

オフシーズンの11〜4月は厳しい寒さが続き乾燥も酷くなります。年中を通して乾燥しており、降水量が少ないのもモンゴル気候の特徴です。こうした厳しい自然の中で生き抜くための知恵がゲルでの生活に活かされています。

ゲルの作り方とゲルでの暮らし

ゲルといえば白くて丸くて…と外観ばかりがイメージされがちです。

ここからは家の中の仕組みや生活をご紹介します。

2〜3時間で建てられるゲルの作り方

ゲルは、数名で約2〜3時間程度で建てられるもの。

大きくて広いので、大変かな?と思われますが、実際に組立体験もできるほど、手軽にお家ができちゃいます。

家の土台となる木を組み立て、そのまわりをフェルトで覆い、紐で縛ると完成!

四季に合わせて、工夫がされており、快適な生活ができるのです。

ゲル内の【構造ルール】

丸い形をしていることにも、ある理由が!

ドアは、必ず太陽の光が差し込む南側に向けて、組み立てられています。

ゲルには、窓がないので一日中光が入るようにと決められているルール。

モンゴル文化が引き継がれるゲル内部の秘密

ゲルのドアは、大人でもしゃがむほど低く作られています。

正面の中央には、神様を祀っている大切な場所であり、ちょうど神様におじきをする意味も込められています。

仏教徒が多く、自国愛が感じられるのは人柄だけでじゃなく、家の作りにも関係しています。

モンゴルの日常が見えるゲル生活

遊牧民が暮らす高草は、一見自然ばかりで不便と思うかもしれません。

人は、衣食住が必要不可欠ですが、遊牧民たちは、自然の中にあるものだけで不自由なく生活をしています。

水は、井戸から汲み上げ、お料理などに大切に使っています。

風力発電や太陽光による電気で、ゲル内へ灯りをともして、生活をしています。

ゲル内にトイレなし!モンゴルの大自然で野糞?

気になるトイレ……トイレ事情が、一番のカルチャーショックでもありますよね。

ゲルでは、移動式なので常にトイレがある場所に引っ越すとは、限りません。

そこらへんの草むらでする場合や、囲いのあるトイレで用を足す場合も。

宿泊施設のような場所には、トイレやシャワーは完備しています!

モンゴルの星空を綺麗に眺められる秘密は【テントの形】

モンゴルでは、綺麗な星空が眺められると、ツアーでも人気。

テントの中央には、天窓が作られており、夜になると綺麗な星空が……

ゲルの丸い構造と、テントのデザインならではの景色です。

モンゴルのゲルを体験するには?

実際に、モンゴルのゲルを体験するにはどうすればいいのか?

ホームステイ・ホテル・キャンプ3つの体験方法を、ご紹介していきます。

モンゴルで本場ゲルに宿泊するなら【ホームステイ】

本格的な、モンゴルのゲル生活を体験したいなら、ホームステイがおすすめ!

実際に、遊牧民が家族で暮らしているお宅にお邪魔し、一緒にお食事したり、色々な体験ができます。

モンゴルの家族と触れ合える、いい出会いにもなりますよ!

モンゴルでゲル仕様の【ホテル宿泊】

ゲル宿泊での、デメリットも女性には大きいですよね。

トイレやお風呂が離れた場所にあるなど、旅行だからホテルに宿泊したい!という方には、ゲル仕様のホテルも。

モンゴルの雑貨や雰囲気は、女子が思わず可愛い!と声が出るカラフルなものが多く、ホテルでは同じ空間を味わいながら、優雅に過ごすことができます。

もちろんホテルなので、全ての完備が整っており、中には、日本語可能なホテルも!

ゲルを体験!観光者向け【ツーリスト・キャンプ】

ツーリスト・キャンプは、遊牧民の実際のお宅で味わう感覚と、ホテルの整った設備を合わせたもの。

本場のゲルを宿泊施設にしたものが、ツーリストキャンプ。

外国人観光客に向けたものが多く、その名の通りモンゴルで出会った旅人と、ゲルでキャンプしているよう。

一人旅や、皆と楽しく過ごしたい方におすすめです!

モンゴルから販売中!?日本でゲルキャンプできちゃう

移動式・数時間で組み立て可能となれば、キャンプで大活躍するゲル。

日本でも、モンゴルから直輸入しているお店もあり、実際に購入可能!

サイズやお値段は、異なるため各サイトにお問い合わせしてみてください。

日本でゲルに宿泊する

 

出典:モンゴリアビレッジテンゲル

 

モンゴルには行けない……という方でも、日本で宿泊できちゃいます!

栃木県那須郡にある、本場のゲルに宿泊できる【モンゴリアビレッジ・テンゲル】をご紹介します。

テンゲルでは、モンゴルから直輸入したゲルに宿泊できるだけでなく、モンゴルを味わえるお楽しみもご用意しています。

  • ゲル組み立て体験(1回15,00円・10名様〜)
  • モンゴル民族衣装・デール試着(1回30分・500円)
  • モンゴル楽「馬頭琴」演奏
  • モンゴル料理やお酒の提供

他には、温泉・露天風呂なども完備しており、満喫できるプランを提供しています。

ゲルでは、1部屋最大6〜8名まで宿泊できるので、家族や友人など様々なシーンに合わせられるのもおすすめポイント。

プランによって、宿泊費などは変動しますので、HPからお問い合わせしてみてくださいね。

那須モンゴリアビレッジテンゲル

モンゴルでゲルに宿泊する

実際にモンゴルで、ゲルに宿泊する場合は予約が必須!

ゲルに宿泊するプランで予約・または現地で予約しましょう!

ツアーや、おおよそのお値段などを、ご紹介します。

モンゴルで、ゲル宿泊付きツアーに参加するには?

  • 日本でゲル宿泊ツアーに申し込む
  • 現地で、ゲル宿泊ツアーに申し込む

日本・モンゴルどちらかで、予約しましょう。

日本でツアーに申し込む際、観光地巡りも一緒になっているものがお得です。

モンゴルは広く、あまり交通便も整っていないので、ガイド付きで、安心できるツアーがおすすめです。

モンゴル伝統ゲル宿泊・値段はいくら?

旅に慣れた方は、観光は自身で計画する方も多いのでは?

ゲル宿泊1泊の相場は、約2,000円〜10,000円以内とリーズナブル!

ゲストハウスや、ホームステイなどでは大きく料金が異なります。

食事がプランに入っていないこともあるので、事前に確認してくのがベスト。

また、ツアーで宿泊する場合は、約3〜5万円が相場になるでしょう。

お一人や、人数の変動・旅行会社によってプラン内容も変更されます。

ゲルだけじゃない!モンゴル旅で訪れたい観光スポット

歴史深い建物や寺院が多い王道の観光地から、都心の空気を忘れさせてくれる、自然溢れる観光スポットなどをご紹介します。

モンゴル観光でのおすすめスポット5選

観光に便利な首都・ウランバートルにある寺院や、少し足を伸ばしてでも行ってほしい有名スポットをご紹介します。

⑴モンゴルで一番大きい仏教寺院【ガンダン・テクチェンリン寺】

モンゴルにはいくつかの宗教が混合しており、中でも宗派の多いチベット仏教。

ガンダン・テクチェンリン寺は、モンゴル最大のチベット仏教寺院として、観光地としても有名。

寺院内では、チベット仏教の教育施設としても、多くの僧侶が学びを深める神聖な寺院です。

26.5メートルの高さから見下ろす観音像には、たくさんの参拝者が訪れます。

⑵王のために建立された宮殿【ボクドハーン宮殿博物館】

まるで、当時にタイムスリップしたようなボクドハーン宮殿。

当時の王様と王女様が住んでいた宮殿であり、モンゴルに関する歴史あるものが、展示されている博物館です。

見所は、釘を一本も使用せずに、木組み方式で建てられた宮殿!

⑶モンゴルが誇る世界遺産【エレデネゾー】

世界遺産に登録されている【カラコラム遺跡】

その敷地内にある、1586年に建てられた、モンゴルで最も古い寺院・エレデネゾー。

チベット仏教寺院として最初に建てられ、長い歴史を経て今もなお凛々しく立っています。

長さ429mの城壁に囲まれたエレゾネゾーの他に、108の仏塔があり、モンゴルの文化を学べるエリアでもあります。

⑷ゴビ砂漠三大スポットが楽しめる【南ゴビ】

南モンゴルに位置し、首都ウランバールからは、飛行機や車での移動が必要ですが、足を伸ばしてでも訪れてほしい南ゴビ。

  • ホンゴル砂丘
  • バヤンザグ
  • ヨリーンアム渓谷

ゴビ砂漠三大スポットが楽しめ、砂漠でラクダに乗って散歩したり、渓谷で綺麗な景色を眺めたり……

癒される地としても、モンゴル観光に欠かせない場所です。

⑸湖のほとりで癒される【フブスグル湖】

北モンゴルに位置するフブスグル湖。

世界有数の水の透明度といわれ、その美しさは圧巻!

琵琶湖の4倍に値する広さで、遠くまで広がる湖を眺めていると心が癒されますよ。

広いモンゴルですが、場所によって感じられる自然が異なるのも、モンゴルを観光する楽しさの1つでもあります。

モンゴルの一人旅で、気をつけるべきこと

世界どこを旅していても、危険は潜んでいるもの。

一人旅をする方に、注意すべき3つのポイントをご紹介します。

  • 盗難、置き引き
  • モンゴルへの敬意
  • 天候や服装

世界では、モンゴルは「危ない国」という認知度は低く、人柄も優しく旅行しやすいといわれています。

ですが、首都ウランバール周辺では、人口も多く、治安の悪い場所もあり注意が必要。

また、シーズンにより温度差が激しいため、服装や旅行日程なども事前に情報をチェックしておきましょう。

そして、モンゴルへお邪魔しているという敬意を持つことも、大切です。

マナーをしっかりと守り、安全に考慮していれば、一人旅でも楽しめますよ。

観光者が口を揃えてモンゴル旅行をおすすめする理由

「モンゴルのイメージは?」と聞かれると、どんな想像をしますか?

あまり多くの方には、旅行地として名の知れていないモンゴル。

ですが、実際に訪れた方は、「また行きたい」と口を揃えます!

  • 自然を満喫できる
  • 歴史や文化を学べる
  • モンゴルの遊牧民体験ができる

美しい自然の中で、日頃の疲れを癒せる場所としても、リピーターが多いモンゴル。

ぜひ、一度訪れて自分の目で、モンゴルの景色を見て感じてください。

まとめ

歴史や文化にも触れながら、伝統的な「ゲル」をご紹介しました。

モンゴルのイメージは、なんとなく掴めたでしょうか?

日本でもゲルを体験できるので、ぜひこの機会にモンゴル文化に触れてみてくださいね。