モンゴルという国をご存知でしょうか。
相撲で朝青龍や白鴎といったモンゴル人力士が大活躍してきているおかげか、日本人のモンゴルに対する知名度や親近感は上がりつつあります。
日本人に比べても、モンゴル人力士は精悍で強いイメージがあります。昨今、ヨーロッパ出身の巨体な力士も増えていますが、それにまったく負けていません。
これからもモンゴル人力士は増えていくでしょうね。
さて、そんなモンゴルですが、面積約156万4100k㎡もある国です。
この広さは日本と比べるとおよそ4倍。
内陸国の中でも広い国土面積を持つ国なのです。
地図を広げてみると、一目でわかるくらい大きな国ですが、改めて、モンゴルの場所がどこであるのか、そして、その場所から読み取れることは何なのか、ご紹介していきます。
もしかすると、なぜモンゴル人やモンゴル力士が精悍で強いのか、そのヒントを掴めるかもしれませんよ。
モンゴルの場所はここ!
実際に、モンゴルはどのような位置にあるのでしょうか。
地図を広げればすぐにわかると思いますが、緯度や経度の話も交えて、もう少し具体的にお話していきたいと思います。
モンゴルって、どこにある?
モンゴルはユーラシア大陸東側にあります。
地理区分で言うと、いわゆる東アジアに属し、その中でもシベリア=ロシアに次ぐ北側に位置するため、結構寒い地域です。
歴史的に見ると、長い中国史において、いつもその国境と土地を侵略していた異民族(騎馬民族)の拠点でもありました。
中国から見ると、モンゴルのある地域は「北狄」と呼ばれ、化外の地として忌み嫌われたものでした。
しかし、そんな化外の地から、かの有名なチンギス=ハンといった英雄が現れ、世界的にも有名になっていきました。
緯度と経度
モンゴルは北緯47度53分、東経106度54分に位置します。
この緯度経度は首都であるウランバートル市とほぼ同じです。
実際には、モンゴルは東西に広いため、一概にこの目安が合っているとは言えません。
モンゴルの地理的特徴
さて、北緯47度に位置するモンゴルですが、これは日本の北海道より北に位置します。
アジアで言うと、南樺太や千島列島と同じくらいの緯度です。
そのような場所に位置しているので、もちろんかなり寒いわけですが、モンゴルの場合、寒いだけではありません。
モンゴルと言えば、「草原」のようなイメージを持っている人が多いかもしれませんが、実際には国土の半分が砂漠です。
皆様がイメージされている砂の砂漠ではなく、いわゆる高原砂漠と呼ばれます。
このような気候を、ケッペンの気候区分で言うとステップ気候にあたります。
同緯度の国との気候を比較
モンゴルと同緯度の国はたくさんあります。
フランスやスイス、オーストリアやイタリアといったヨーロッパ諸国。
アメリカのワシントン州やモンタナ州も同緯度にあたります。
その中でも、フランスとモンゴルとの気候を比較してみましょう。
フランスの気候は地域によっても様々であり、大陸性、海洋性、地中海性のものに分割されます。
このような、種類に富んだ気候区分を現す国はヨーロッパの中でもフランスだけです。
では、なぜモンゴルはフランスの何倍も広いのに、気候区分が一つなのでしょうか。
それは、フランスとモンゴルの場所を見れば一目瞭然です。
フランスが地中海や太平洋に面しているのに対し、モンゴルはまったく海がありません。
実は、海流と気候というのは非常に密接な関係にあります。海流の影響をまったく受けない場所に位置するモンゴルの気候がステップ気候一色になるのはうなずけますね。
モンゴルの標準時
日本は国土が狭いため、標準時は135度で一つだけです。
しかし、モンゴルは東西に広い国土を持っているため、標準時も一つではないのです。
UTC+7とUTC+8、2つの標準時を持ち合わせています。
それぞれ、オブス県・ホブド県・バヤンウルギー県のみがUTC+7を利用し、他の地域(ウランバートル市やチョイバルサン)では全てUTC+8です。
未だに遊牧民族が大自然の中で生きていることもあってか、モンゴルでは度々夏時間(サマータイム)制度が導入されています。
直近では、2017年まで夏時間制度がありましたが、現在は廃止されています。
ちなみに日本との時差は1時間~2時間程度です。時差ボケも最小限に抑えられるので、旅行しやすい海外と言えるのではないでしょうか。
モンゴルと日本の位置関係
モンゴルと日本は一体どれくらい離れていて、どれくらいの時間で到着することができるのでしょうか?
モンゴルと日本の位置関係
モンゴルと日本は同じ東アジアに位置するため、決して遠い国ではありません。
日本からウランバートルまでの直行便だと、約5時間30分ほどで到着してしまいます。
韓国みたいに気軽に行けるというわけではありませんが、2泊3日くらいの旅程を組めば満喫できそうですね。
主要都市間との距離
モンゴルと日本は直通便が2つの地域であります。
成田国際空港と関西国際空港です。(2021年7月10日現在)
それぞれ、ウランバートル市にあるチンギスハーン国際空港のい降り立ちますが、それぞれの都市とウランバートル市で、どれくらい距離が離れているのでしょうか。
東京ーウランバートル市
3012km離れており、運航時間は5時間半です。
大阪ーウランバートル市
2782km離れており、運航時間は4時間半です。
モンゴルの隣国
ここまで、読んでいただけた皆様には、モンゴルの位置が大体どこにあるのかお分かりいただけたかと思います。
ここからは、モンゴルの隣国について紹介していきたいと思います。
モンゴルに隣接する国
モンゴルは広い国で、国境線もかなり長いですが、隣接する国はわずか2ヶ国しかありません。
ロシア
まずはロシア連邦です。
ロシア連邦はモンゴルの北側国境と密接している、いわずと知れた世界最大面積の国家です。
1990年代までは同じ共産主義国家として蜜月な関係にありましたが、両国が共産主義を放棄した今でも、同盟国であり続けています。
中国
次に中国です。
中国はモンゴル国境の南半分全てを網羅しています。
歴史的にも中国とモンゴルは侵略したりされたりの関係性であるため、経済的な依存度はあるものの、中国と中国人に対する思いは決して良いものではありません。
日本は第三の隣国!?
日本とモンゴルは直接的に国境を接しているわけではありません。
しかし、世論調査で7割を超えるモンゴル人が日本に親しみを感じており、最も親しくすべき国として日本をあげるなど、「第三の隣国」ともいわれるようになりました。
太平洋戦争期の反日感情もありましたが、現在は相撲等のスポーツを通した甲虫により、友好的な関係が維持されています。
まとめ
決して甘くはないモンゴルの場所
モンゴルは私達日本人から見ると、決して恵まれた場所ではありません。
寒く、降水量もまばらなため、農耕が向いていないのです。そのため、中国や日本のような定住型社会が生まれにくく、近代まで遊牧民族が台頭するようになりました。
それが不幸に思ってしまうのは、私達が日本人であるからだと思います。
実際、現在でも、1割程度のモンゴル人が遊牧だけで生活しています。ウランバートル市の都市化が始まった今でこそ、都市部への移住が進んでいますが、1990年代より前はもっと多かったそうです。
モンゴルの人々は厳しい場所と大自然の中にありながら、足る喜びを噛みしめながら生きているのかもしれませんね。